カテゴリ: TypeScript 更新日: 2026/02/09

TypeScriptのesModuleInteropとallowSyntheticDefaultImportsとは?設定の意味を初心者向けに解説

TypeScriptの`esModuleInterop`や`allowSyntheticDefaultImports`の意味とは
TypeScriptの`esModuleInterop`や`allowSyntheticDefaultImports`の意味とは

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「TypeScriptの設定ファイルに`esModuleInterop`っていう項目があるんですけど、これって何ですか?」

先生

「それは、JavaScriptのモジュールをTypeScriptで扱いやすくするための設定です。特にインポートの書き方に関係してきますよ。」

生徒

「インポートって、他のファイルから機能を読み込むやつですよね?それがどう変わるんですか?」

先生

「そうです。JavaScriptとTypeScriptでは、モジュールの扱い方に違いがあるんです。それでは、詳しく見ていきましょう!」

1. モジュールとインポートの基本

1. モジュールとインポートの基本
1. モジュールとインポートの基本

まず、モジュールという言葉について説明します。モジュールとは、プログラムを機能ごとに分割したファイルのことです。例えば、計算をする機能、データを保存する機能など、それぞれを別々のファイルに分けて管理することで、プログラムが整理されて分かりやすくなります。

インポートとは、他のファイル(モジュール)から機能を読み込んで使えるようにすることです。TypeScriptでは、importというキーワードを使ってインポートを行います。

ここで問題になるのが、JavaScriptには昔ながらのCommonJSという形式と、新しいES Modules(ESモジュール)という形式の、二つのモジュールシステムが存在することです。それぞれで書き方やルールが異なるため、TypeScriptで扱う際に工夫が必要になります。

2. esModuleInteropとは何か

2. esModuleInteropとは何か
2. esModuleInteropとは何か

esModuleInteropは、TypeScriptの設定ファイル(tsconfig.json)で指定できるオプションの一つです。この設定を有効にすると、CommonJS形式で書かれたモジュールを、ES Modules形式のように簡単にインポートできるようになります。

具体的には、次のような書き方ができるようになります。

esModuleInteropを有効にした場合


import express from 'express';

これは、シンプルで読みやすい書き方です。多くのJavaScriptライブラリやNode.jsのパッケージは、CommonJS形式で書かれているため、この設定がないと次のように書く必要があります。

esModuleInteropを無効にした場合


import * as express from 'express';

どちらも同じexpressというライブラリを読み込んでいますが、書き方が違います。esModuleInteropを有効にすると、前者のようなシンプルな書き方ができるようになり、コードが読みやすくなります。

3. allowSyntheticDefaultImportsとは何か

3. allowSyntheticDefaultImportsとは何か
3. allowSyntheticDefaultImportsとは何か

allowSyntheticDefaultImportsも、TypeScriptの設定オプションの一つです。この設定は、型チェックの際に、デフォルトエクスポートがないモジュールでも、デフォルトインポートを許可するものです。

少し難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと「TypeScriptのコンパイラに対して、こういう書き方でも問題ないよと教えてあげる設定」です。

esModuleInteropが実際のコード変換(トランスパイル)に影響を与えるのに対し、allowSyntheticDefaultImportsは型チェックにのみ影響します。つまり、TypeScriptがエラーを出さないようにするための設定です。

設定例


// tsconfig.json
{
  "compilerOptions": {
    "allowSyntheticDefaultImports": true
  }
}

この設定を有効にすると、次のようなインポートが型チェックでエラーにならなくなります。


import React from 'react';

多くの場合、esModuleInteropを有効にすると、自動的にallowSyntheticDefaultImportsも有効になります。そのため、両方を明示的に設定する必要はありません。

4. 二つの設定の違いと使い分け

4. 二つの設定の違いと使い分け
4. 二つの設定の違いと使い分け

ここまでで、二つの設定について説明しましたが、違いをまとめておきましょう。

設定項目 役割 影響範囲
esModuleInterop CommonJSモジュールのインポートを簡単にする 実際のコード変換に影響
allowSyntheticDefaultImports 型チェック時にデフォルトインポートを許可 型チェックのみに影響

基本的には、esModuleInteroptrueに設定しておけば、両方の機能が有効になるため、これだけを設定すれば大丈夫です。特別な理由がない限り、この設定を有効にしておくことをおすすめします。

5. 実際の設定ファイルの例

5. 実際の設定ファイルの例
5. 実際の設定ファイルの例

TypeScriptプロジェクトでは、tsconfig.jsonというファイルに設定を記述します。このファイルは、TypeScriptのコンパイラがどのようにコードを処理するかを決めるための設定ファイルです。

実際の設定例を見てみましょう。


{
  "compilerOptions": {
    "target": "ES2020",
    "module": "commonjs",
    "esModuleInterop": true,
    "strict": true,
    "outDir": "./dist"
  },
  "include": ["src/**/*"]
}

この設定ファイルでは、esModuleInteroptrueにしています。これにより、次のようなシンプルなインポートが可能になります。


import fs from 'fs';
import path from 'path';
import express from 'express';

const app = express();
const filePath = path.join(__dirname, 'data.txt');

もしesModuleInteropが無効だと、次のように書く必要があります。


import * as fs from 'fs';
import * as path from 'path';
import * as express from 'express';

const app = express.default();
const filePath = path.join(__dirname, 'data.txt');

どちらが読みやすいか、一目瞭然ですね。

6. なぜこの設定が必要なのか

6. なぜこの設定が必要なのか
6. なぜこの設定が必要なのか

JavaScriptの世界には、長い歴史の中でさまざまなモジュールシステムが生まれました。Node.jsではCommonJSが標準として使われてきましたが、ブラウザ向けのJavaScriptではES Modulesが標準になりつつあります。

TypeScriptは、この二つの世界をつなぐ役割を果たします。しかし、それぞれの形式には互換性がないため、TypeScriptが自動的に変換する必要があります。esModuleInteropは、その変換をスムーズに行うための設定なのです。

この設定を有効にすることで、開発者は異なるモジュール形式を意識せずに、統一された書き方でコードを書けるようになります。特に、Node.jsのパッケージを多く使うプロジェクトでは、この設定は必須と言えるでしょう。

7. 初心者が注意すべきポイント

7. 初心者が注意すべきポイント
7. 初心者が注意すべきポイント

TypeScriptを学び始めたばかりの方は、次のポイントに注意してください。

ポイント1:最初から有効にしておく

新しいプロジェクトを始める際は、最初からesModuleInteroptrueに設定しておきましょう。後から変更すると、既存のインポート文を全て書き直す必要が出てくる可能性があります。

ポイント2:エラーメッセージを確認する

もしインポートでエラーが出た場合、エラーメッセージをよく読んでください。「モジュールにデフォルトエクスポートがありません」といったメッセージが出た場合は、この設定を見直す必要があるかもしれません。

ポイント3:公式ドキュメントを参考に

TypeScriptの公式ドキュメントには、各設定項目の詳細な説明があります。分からないことがあれば、公式ドキュメントを確認する習慣をつけましょう。

8. よくある質問

8. よくある質問
8. よくある質問

既存のプロジェクトで設定を変更しても大丈夫?

既存のプロジェクトでesModuleInteropを有効にする場合は、慎重に行う必要があります。既存のインポート文が全てimport * as形式で書かれている場合、設定を変更してもすぐには問題は起きません。ただし、統一性を保つために、少しずつ新しい形式に書き換えていくことをおすすめします。

この設定を無効にするべき場合はある?

基本的には、特別な理由がない限り有効にしておくことをおすすめします。ただし、古いプロジェクトを引き継いだ場合や、特定のライブラリとの互換性の問題がある場合は、無効にする必要があるかもしれません。その場合は、プロジェクトのドキュメントや既存のコードをよく確認してください。

BabelやWebpackとの関係は?

BabelWebpackといったツールを使っている場合でも、TypeScriptの設定は重要です。これらのツールは、TypeScriptがコンパイルした後のJavaScriptコードを処理するため、TypeScript側で正しく設定しておく必要があります。

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